2008年から10年の間、セイコー(SEIKO)のメカニカルシリーズラインで販売されていた「SARB033」
素材 | ステンレススティール |
ケースサイズ | 直径 38.5mm 厚み 11.2mm |
全重量 | 136g |
文字盤/風防 | ブラック/サファイアガラス |
インデックス | バーインデックス |
ムーブメント | 自動巻き 6R15D |
パワーリザーブ | 約50時間 |
防水性能 | 100m |
現在は残念ながら廃盤となってしまったモデルですが、10年間販売されていたこともあり、世界中にファンがいて、名機として名高い非常に人気のある腕時計でした。
僕も長年SARB033を使っていますが、デザインや精度の良さ、コスパなど名機と言われるだけの理由があるのもうなずけるつくりになっています。
そんな、セイコーのSARB033のどこに惹かれるのか?
SARB033の魅力を徹底的にお届けしていきたいと思います!
また現在は廃盤となり、なかなか定価で購入できなくなったこともあり、SARB033の後継機についても紹介していきます。
目次
プアマンズグランドセイコーと呼ばれたSARB033
セイコーにはさらに上の高級ラインブランド、グランドセイコー(GS)があります。
SARB033はグランドセイコーではありませんが、高級感のある見た目やつくり、精度の良さなどから海外では「プアマンズグランドセイコー」、「ベイビーグランドセイコー」、「セイコーの良心」など様々な愛称で呼ばれ親しまれてきました。
プアマンズ(貧乏人の〜)という意味から、あまり良い気はしませんが、これは褒め言葉であって、安くてグランドセイコーの気分が味わえるコスパ最強の腕時計と言われてきました。
こちらは、グランドセイコーの機械式腕時計として人気のある「SBGR317」です。
出典: https://www.grand-seiko.com/in-en/collections/sbgr317g
SARB033とデザインが似ていませんか?
もちろんグランドセイコー SBGR317の方が、つくりや素材、ムーブメントなど上ですし価格も528,000 (税込)と高級ですが、SARB033も十分しっかりとした丁寧なつくりになっています。
高級感のあるデザイン
SARB033は文字盤にインデックス、三針と安っぽさはなく高級感さえ漂うデザインに仕上がっています。
風防はサファイアクリスタルで、傷にも強いです。
ケースやブレスはステンレススティールの無垢材で、仕上げも悪くありません。
ムーブメントは精度の高い「6R15」を搭載
セイコーのムーブメントにはいくつか種類があり、ざっくり挙げると、7S系→4R系→6R→8L系→9S系(9S系のみグランドセイコー)の順にランクが上がっていきます。
SARB033は、セイコーの中では上から2つ目のランクに位置する6Rの高精度のムーブメントが搭載されています。
6R15は、自動巻(手巻き機能付き)で、日差+25~-15秒、駆動時間は最大約50時間、秒針停止機能と日付表示付き、振動数は6振動/秒と、日常使いには十分すぎるスペックを兼ね備えています。
この6R15は、セイコーの10万円前後のモデルに採用されていることが多いです。
価格は5万円以下の激安価格のコスパ最強腕時計
そんな、高級感のあるデザインと6R15という高性能なムーブメントを搭載したSARB033ですが、メーカー希望小売価格 49,500円(税込)、実売3万円台という驚きの低価格で販売されていました。
先程も言いましたが、6R15のムーブメントが搭載されているセイコーの腕時計は10万円前後するものばかりです。
なので、6R15搭載で3万円台の価格で購入できたというのは、今では考えられないことで、コスパ最強の腕時計だっと言えるのではないでしょうか。
購入しやすい価格設定、精度も良く、見た目もシンプルでカッコ良い、腕時計初心者にもってこいのモデルだったように思います。
廃盤になってしまった現在は、SARB033の価格も高騰して、今では新品で6〜7万円、中古でも4〜5万円で取引されるなどプレミア化してしまいました。
6R15のムーブメントを搭載しているので、本来であればこれぐらいの価格が妥当な気もしますし、元々3万円台で販売されていたのを知っている身からすると、高くなったなと思うところもあったりなんとも複雑な気持ちになります。
パッと見はロレックス エクスプローラーⅠにも引けを取らない!?
SARB033は高級感のあるデザインと言いましたが、実際に高級腕時計と比較してみたいと思います。
本来であれば、先程紹介したデザインが似ているグランドセイコーの「SBGR317」なんかと比較したら面白いのですが、手元にないので、代わりに僕が所有しているロレックスのエクスプローラーⅠと比較してみたいと思います。
エクスプローラー1は、Ref.14270で1990年〜2001年まで製造されていた今ではセミビンテージのモデルになります。
現行のエクスプローラー1じゃないので、仕様やつくりが今よりもチープな部分もありますが、それでも発売当時は30〜40万円で販売されていた高級腕時計です。(今ではプレミア化し定価以上の価格で取引されるようになってしまいましたが、、、)
こちらもCHECK
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ロレックス エクスプローラー 14270 シングルトリチウムの魅力!の巻
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比較するとこんな感じ!
左 「セイコー SARB033」 右 「ロレックス エクスプローラーⅠ Ref.14270」
いかがでしょうか?
パッと見はロレックス エクスプローラーⅠに引けを取らないぐらいSARB033も高級感があり、素晴らしいつくりをしているように思います。
じっくり見ると、SARB033のケースの方が僅かに角が丸みがかっていたり、ブレスレットもエッジ処理やヘアラインが甘かったりと細かな仕上げのところでエクスプローラーⅠの方がもちろん上ですが、2つの時計に30万円以上の差があるとは思えないクオリティです。
SARB033を知らない人が見ると10万円はする腕時計と勘違いする人もいるんじゃないでしょうか!?
それぐらいSARB033は3万円台で販売されていたとは思えないぐらい、しっかりとしたつくりをしています。
動画で見ると、よりSARB033の高級感が伝わるんじゃないかなと思います。
シンプルなデザインで、仕事にプライベートにアウトドア、どんなシーンでも合わせやすい万能腕時計
クセのないシンプルなデザイン
SARB033は三針と日付表示のみのシンプルなデザインの腕時計です。
ケースサイズも約38mmと大きすぎず小さすぎず日本人の腕にちょうど良いサイズ感です。
重量は136gとそこまで重くないので、長時間付けていても疲れることはありません。
文字盤のカラーは、黒文字盤のSARB033の他に、白文字盤のSARB035があります。
出典: https://sumally.com/p/2079397
白文字盤もシンプルでカッコ良いですよね。
仕事や冠婚葬祭、プライベート、アウトドア、どんなシーンでも使える
このようにSARB033はクセのないシンプルなデザインから、様々なシーンで合わせやすい腕時計になっています。
見た目だけでなく、ブランドがセイコーということもあり、仕事や冠婚葬祭に付けていても嫌味がありません。
これが高級ブランドになってくると、上司やお客さんの目を伺ったりと使いにくい場面も出てきますが、SARB033はそういった事を気にする必要もありません。
またデザインもカッコ良いので、ファッションとしてプライベートで付けていても様になります。
防水性能も100m防水なので、ちょっとしたアウトドアなんかに付けて行っても大丈夫!
ブレスもプッシュ式のロック機構になっているので、激しい動きをしてもそう簡単には外れません。
僕が他に所有しているロレックスのエクスプローラーⅠもスポーツモデルでアウトドアにも使えるのですが、高価なものなのでやはりハードな動きをする時は気を使います。。。
その点、SARB033は数万円の時計ですので、傷や故障をあまり気にせずガシガシ使えるのも良いところです。
オーバーホール料金もSARB033であれば1万円前後でできますし、メンテナンスもしやすく腕時計の管理・維持が比較的簡単です。
管理・維持が簡単、1本あればどんなシーンでも使えるので、僕はミニマリストにもおすすめの腕時計だと思います。
SARB033の評判・口コミも高評価!?
SARB033は、評判・口コミも評価が高いように思います。
SARB033はセイコー機械式時計の「頂点」と言う人もいます。
5つ星のうち5.0 ある意味セイコー機械式時計の「頂点」と言える時計【追記あり】
2018年10月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちょっと前のセイコーCal.6R15搭載の時計です。ちょっと昔のモデルですが、後述しますがこのモデルはセイコー機械式時計の、ある意味で頂点を極めている時計ですので、地味ではあるのですが、機械式時計を知りたいという方であるなら、一度は手にしてみるべき時計です。引用: Amazon
SARB033は、ロレックスのエアキングより出来が良いと評価されている人も。
それぐらいクオリティの高い腕時計という事でしょう。
Bambooが薦める格安機械式腕時計①[SEIKO SARB033]ローレックスエアキングより出来が良いじゃないかと思う。ムーブメントは6R15。もう生産中止してしまったので見つけたら即買いするべし。https://t.co/GueMF80iX3 pic.twitter.com/w4ScUi7LOM
— Bamboo(主夫~イさん) (@DJBamboo0) July 2, 2020
海外では一度手放してしまい、後悔して買いなおされた人もいるみたい。
手放すと後悔するほどSARB033は、虜にしてしまう腕時計なのかもしれません。
The legendary Seiko SARB033 aka baby Grand Seiko. I had to pick this one up for a second time after selling it, or I would have regretted it forever. pic.twitter.com/s1zfupX1qd
— Chronometer Check (@Chrono_Check) August 21, 2020
と、SARB033の評判・口コミは価格面、デザイン面、時計の出来など、どれも高評価なレビューが多くて、世界中で愛されていることが伺えます。
SARB033の後継機!?セイコーの良心は受け継がれていく・・・
SZSB012登場!!
SARB033の魅力について語ってきましたが、残念ながら現在は廃盤のモデルとなってしまいプレ値が付き定価で買うことは不可能になってしまいました。
「SARB033に興味があるけれど、プレ値で買うのはちょっとなぁ、、、」って人に朗報です!
SARB033の販売終了後、実は似たデザインの時計がセイコーからオンライン限定で販売されているんです。
それが、セイコー SZSB012です!
出典: https://store.shopping.yahoo.co.jp/1more/SZSB012.html#
素材 | ステンレススティール |
ケースサイズ | 直径 39.9mm 厚み 12.7mm |
全重量 | 131g |
文字盤/風防 | ブラック/ハードレックス |
インデックス | バーインデックス |
ムーブメント | 自動巻き 4R35 |
パワーリザーブ | 約41時間 |
防水性能 | 100m |
「ハイコストパフォーマンス」をコンセプトとしたモデルで、時代に左右されない普遍的なデザインになっています。
そして見て分かる通り、SARB033を彷彿とさせるデザインです。
SARB033と並べて見てみましょう。
左 「セイコー SARB033」 右 「セイコー SZSB012」
三針・文字盤・インデックスどれをとってもSARB033とデザインがそっくりですよね?
デザインがそっくりなところや、新たなプアマンズグランドセイコーと呼ばれていることから、巷でSARB033の後継機と言われているのがこのSZSB012なんです。
ただ、後継機と言われていますがスペック面でSARB033に劣るところもあります。
SARB033との違い
まず、SARB033の風防がサファイアガラスだったのに対して、SZSB012の風防はハードレックスです。
出典: http://www.10keiya.com/fs/pp10keiya/151192
ハードレックスはSEIKOの独自技術で作られたガラスで、ミネラルガラスに特殊な強化処理を施したものになります。
強化処理はされていますが、あくまでミネラルガラスなので硬度ではサファイアガラスに劣ってしまいます。
他に、SARB033のムーブメントが6R15だったのに対して、SZSB012のムーブメントは4R35です。
出典: http://www.10keiya.com/fs/pp10keiya/151192
先ほども言いましたが、セイコーのムーブメントは、7S系→4R系→6R→8L系→9S系(9S系のみグランドセイコー)の順にランクが上がっていきます。
このムーブメントの種類からも分かる通り、SZSB012で採用されているムーブメントは4Rで、6Rよりランクが一つ落ちています。
6R15と4R35の主な違いは、6R15が[日差+25~-15秒・パワーリザーブ約50時間]、4R35が[日差+45~-35秒・パワーリザーブ約41時間]と4R35の方が性能で僅かに負けています。
とは言え、4R35にも秒針停止機能や日付表示付き、振動数も6振動/秒と6R15と同等の機能も備わっています。
6R15と比較すると4R35は劣ってしまいますが、精度やスペック面で4R35も十分優秀なムーブメントであることは間違いないです。
また、ケースサイズも僅かに違います。出典: http://www.10keiya.com/fs/pp10keiya/151192
SARB033のケースサイズが直径 38.5mmなのに対して、SZSB012はケースサイズが直径 39.9mmと1.5mmほど大きいです。
SARB033より1mmちょっと大きいだけなので、そこまで着用した時の違いはありませんが、大きいケースサイズが苦手という人は注意してください
出典: http://www.10keiya.com/fs/pp10keiya/151192
そして、SZSB012の価格はオンラインで3万円ちょっとで販売されています。
SARB033はプレ値で新品で6〜7万円、中古で4〜5万円で取引されているので、SZSB012は新品で3万円ちょっとと購入しやすい価格になっています。
しかし、こうやって比較していくとSARB033はSZSB012よりハイスペックでありながら、当時は同じような3万円台で購入できたと思うと、いかにSARB033が高コスパな腕時計だったことに驚かされます。
ですが、SARB033をプレ値で買うことに抵抗がある人は、SZSB012の選択肢も十分アリだと思います。
おわりに
以上、SARB033の魅力と後継機SZSB012の紹介でした。
SARB033は、プアマンズグランドセイコーと呼ばれるだけあって、高品質・高精度・高コスパなモデルだったと思います。
それだけに廃盤は残念ではあります。
しかし、SARB033の後継機と言われているSZSB012も登場し選択肢が増えたのは嬉しいところです。
その反面、どちらにするか悩むのも事実ですが、、、笑
高性能で、価格がプレ値でやや高めなSARB033を選ぶか、性能はやや落ちるが、価格がリーズナブルなSZSB012を選ぶか、これから購入を検討している人には悩ましい選択だなと思いました。
SARB033は価格が安かったからこそ評価が高かったところもあると思うんだ!
だからプレ値で買うほどの価値があるかと言うとそこは疑問だよね
おしまい
後継機モデル
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