1941年に誕生して以来、半世紀以上コーヒー愛好家達の間で定番アイテムとなっているケメックス(CHEMEX)のコーヒーメーカー。
アメリカの科学者がフラスコでコーヒーを入れたのが誕生のきっかけと言われていて、ドリッパーとサーバーが一体型のフラスコ型のフォルムをしています。
出典: https://www.nytimes.com/wirecutter/blog/i-do-not-love-chemex/
くびれ部分の持ち手が木枠になっておりレザーの紐が結ばれているのが特徴で、木とガラスが融合したおしゃれなデザインのコーヒーメーカーです。
出典: https://driftaway.coffee/brew-guide-chemex/
また、この特徴的なデザインが高い評価を受け、ニューヨーク近代美術館(MoMA)などで永久展示品に指定されていたり、ミッドセンチュリーのデザイナーとして有名なイームズ夫妻や、柳宗理も愛用していました。
このフラスコ型に木枠でレザーの紐が結ばれているタイプは、ケメックスの中でも最も有名で人気の商品ですが、実は、
・機械で量産的に作られるマシンメイド(クラシックタイプ)
・手吹きで、ガラス職人がひとつひとつ仕上げるハンドブロウ
・1941年〜1980年までに製造されたヴィンテージ(オールドケメックス)
の3つの種類が存在するんです。
それぞれに良し悪しがあり、3つの中でどれにしようか悩んでおられる方もいるんじゃないでしょうか。
そこで、3つの特徴と、結局のところどれを選ぶのが良いか考えていきたいと思います。
目次
ケメックスのマシンメイド、ハンドブロウ、ヴィンテージどれが良い?
マシンメイド(クラシックタイプ)
まずは、マシンメイド(クラシックタイプ)の特徴を見ていきましょう。
出典: https://www.chemexcoffeemaker.com/six-cup-classic-series-coffeemaker.html
現在、最も主流なのが機械で作られているマシンメイドで、比較的安価に手に入る事から、最も売れているタイプになります。
価格は、3カップの一番小さなサイズで約5,000円から購入できます。
マシンメイドは、機械で作られていることからひとつひとつ均一でムラのない製品を製造できる一方、中央にガラスのつなぎ目ができてしまいます。
機械での製造工程上、仕方のないことですが、これを安っぽいと捉える方もいるみたいです。
ですが、マシンメイドは安定した生産ラインを維持して量産することができ、価格も安いのでケメックス初心者にも入手しやすいおすすめのエントリーモデルとなっています。
ハンドブロウ
続いて、ハンドブロウです。
出典: https://www.chemexcoffeemaker.com/five-cup-handblown-series-glass-coffeemaker.html
マシンメイドが機械で作るのに対して、ハンドブロウは職人さんがひとつひとつ丁寧にガラスを吹いて製作しています。
実際に、職人さんがガラスを吹いて製作している動画。
Glassblowing Chemex Coffeemakers from Chemex on Vimeo.
丁寧に作られているのが伝わってきますし、何より職人さんがカッコ良いです。
ハンドブロウは、職人さんの手作業になるので、商品ひとつひとつが違う顔を持った完全な一点ものです。
その為、マシンメイドと比べると価格も少しお高くなります。
3カップの一番小さなサイズで約15,000円ぐらいで、マシンメイドの3倍程の価格になります。
また手作りの為、需要に対して供給が追いつかず、タイミングによっては手に入りにくい可能性もあります。
ハンドブロウの購入を検討されている方は、在庫の確認はチェックしておきましょう。
左がマシンメイド、右がハンドブロウのケメックスです。
出典: http://www.dealer-ship.com/goods/chemex_hand.htm
ハンドブロウのケメックスはガラスが青緑がかっており、注ぎ口は丸みを帯びた綺麗な曲線に仕上っています。
また、ハンドブロウの方が厚みがあって保温力も優れていたり、ずっしりとした重量感が所有欲を満たしてくれます。
職人による手作業で作られた世界にひとつしかない自分だけのケメックスが欲しい!というこだわりを持った方に、ハンドブロウはおすすめです。
ヴィンテージ(オールドケメックス)
最後にヴィンテージ(オールドケメックス)です。
出典: https://aucfree.com/items/v650313246
ヴィンテージ(オールドケメックス)とは、主に1941年〜1980年までに製造されていたものをさします。
ヴィンテージは、1941年〜1960年代ごろまでパイレックス(Pyrex)にガラス部分の製造を依頼していたものと、
1970年代にドイツのガラスメーカーに依頼していたものの2つに分けられます。
ヴィンテージ(オールドケメックス)のほとんどは、手吹きによるハンドブロウの製品になります。
1960年〜1970年に作られたであろうパイレックス製のオールドケメックス。
出典: http://www.dealer-ship.com/goods/old_chemex/oc30.htm
持ち手の木枠が綺麗な濃いブラウンに焼けていますが、パッと見た感じは現行のハンドブロウとさほど違いが分かりません。
しかし、裏面を見ると「CHEMEX U.S.PATENT MADE IN USA FROM PYREX BRAND GLASS」とパイレックス製であることがしっかり記載されています。
他にも、パイレックス製にはエンボスタイプのレアなモデルなども存在します。
出典: https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t739167576
年代や生産国によって様々な仕様が存在しており、お気に入りの個体を見つける楽しさがヴィンテージ(オールドケメックス)にはあります。
ただし、価格は年代物だけあって非常に高く、2万円〜4万円ぐらいするものまであります。
さらに、個体数も少なく、ネットオークションなどでもなかなか状態の良いものが出回っておらず、入手するのが他のモデルより難しいです。
入手難易度からも、ヴィンテージ(オールドケメックス)は、まさにケメックスの中でも上級者モデルだと思います。
結局どれが良いの? (僕の個人的意見)
じゃあ、これらの特徴を踏まえた上でマシンメイド、ハンドブロウ、ヴィンテージ(オールドケメックス)どれが良いか考えていきたいと思います。
これは、あくまで僕の個人的意見ですので、ひとつの参考程度に聞いてもらえれば幸いです。
どれが良いか選択するのに消去法でいきたいと思います。
まず、僕の中で一番選ばないであろうモデルがハンドブロウです。
ハンドブロウを購入する層というのは、マシンメイドの機械製よりも職人が手作業で作った一点ものが欲しいというケメックスに対してのこだわりを持っておられる方じゃないでしょうか?
最初はそれで良いと思うんです。それで、購入して愛着を持って大事に使っていけば言うことありません。
でも、そういったこだわりを持っておられる方は、しばらくするとちらつくと思うんですよ。
そう、ヴィンテージ(オールドケメックス)の存在が!
同じハンドブロウでも、年代物のオールドケメックスをどこかで意識したり比較するようになっていく気がします。
そして、そのうちオールドケメックスが欲しいという衝動に駆られるんです。きっと。
なので、僕の中でハンドブロウは、ヴィンテージ(オールドケメックス)への入り口のようなモデルな気がして買うのを躊躇してしまいます。
では、ヴィンテージ(オールドケメックス)が良いかというとそれも考え物です。
ヴィンテージ(オールドケメックス)は、個体数が少なく状態の良いものを見つけるのがまず難しいです。
それに、見つかったとしてもそれなりの値段がします。
いざ高い値段を出して購入したケメックスを使って毎日コーヒーを入れて飲めるでしょうか?
もちろん、気にせず使える方もいるかもしれませんが、どこか腫れ物を触るような扱いになる気がします。
何万円もするものだから当然といえば当然です。
そして、それを誤って割ったりでもしたものなら目も当てられません。
ショックで立ち直れないです。
なので、コーヒー道具として気軽に扱えない気がします。
そういった理由から、僕がケメックスを選ぶのであれば、マシンメイドです!
値段もリーズナブルで気軽に扱えます。
仮に割ったとしてもまた買い直せば良いんです。
消耗品だ、ぐらいの気の持ちようで扱うぐらいが僕にとっては気が楽です。
コーヒーの味が変わるわけでもないので、(ハンドブロウの方がガラスに厚みがあるので保温力は優れています)僕はマシンメイドで十分です。
おわりに
以上、ケメックスのマシンメイド、ハンドブロウ、ヴィンテージ(オールドケメックス)それぞれの特徴と、どれが良いか考えてきました。
今回、この記事を書いたのは、僕自身ケメックスのコーヒーメーカーを持っていなくて、どれが良いか整理するために自分のために書いたものでもあります。
結果、僕はコーヒーを入れれればそれで良いので、一番安価なマシンメイドで十分という結論に至りました。
ということで、購入しました!
ケメックス マシンメイド(クラシックタイプ) 6カップ!!
つづく
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