ギフトでイノダコーヒの缶詰め合わせをいただきました。
中でも、イノダコーヒと言えば、赤缶の「アラビアの真珠」が有名です。
イノダコーヒ創業当時から提供されているブレンドで、イノダの顔となるコーヒーです。
ここで、イノダコーヒって何?って人に少しだけ説明。
イノダコーヒは、戦後すぐに京都市中京区に創業した老舗のコーヒーショップです。
イノダコーヒ本店
映画監督や俳優、作家にミュージシャンなど数多くの著名人を常連客に持ち、地元京都の人からも愛されているのがイノダコーヒです。
京都では知らない人がいないってぐらい有名ですね。
僕も京都出身なので、小さい頃から親にイノダコーヒはよく連れていってもらいました。
当時は子供だったのでコーヒなんて飲めなくて「イタリアン(ナポリタン)」ばかり食べていました。
モチモチの太麺とクリーミーなトマトソースが絶妙にマッチしてなんとも優しい味です。
銀のお皿が、また昔ながらの洋食の雰囲気を醸し出していて食欲がそそられます。
他にもホワイトソースを使ったスパゲティ「ボルセナ」があって、昔からの常連客は「イタリアン」のことを赤い方、「ボルセナ」のことを白い方なんてオーダーしたりするとか。
憧れるけれど、若造の僕はそんなオーダーまだまだできません。
少し話がズレてしまいました。
今回は、そんな思い出いっぱいのイノダコーヒ 赤缶「アラビアの真珠」を家でドリップして飲んでいきたいと思います。
また、イノダコーヒ創業当初から働いていた創業者の甥、猪田彰郎(いのだあきお)さんの本「イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由」を読んだので、合わせてレビューしていきます。
イノダコーヒ 赤缶「アラビアの真珠」をドリップしてみた!
缶は、缶詰のような蓋で完全に密閉されています。
コーヒー粉は中粗挽きです。
蓋を開けた瞬間コーヒーの良い香りが漂ってきました。
もう気分はアラビアです♪
では、早速イノダコーヒ 赤缶「アラビアの真珠」をドリップしていきましょう!
イノダコーヒのお店では15杯分のコーヒーを一度に淹れます。
ご飯を炊くのと一緒で一度に多く作る方がおいしいそうです。
しかも、ドリップはポットじゃなくて、お玉を使って勢いよくお湯をかけていきます。
さすがに家庭でそれを再現するのは難しいので、ネルドリップとポットを使って3杯分をドリップしました。
カップに移し替えて、いざ試飲!
「アラビアの真珠」は深煎りのため、コクと苦味が強めですが、酸味もしっかり感じられてバランスのよい味わいです。
そうそうこれです、イノダのアラビアの真珠の味です。おいしい!
お店の味と全く同じクオリティのものが淹れられたとは恐れ多くて言えませんが、それでもかなりおいしく淹れられたのではないでしょうか。
ただ、イノダコーヒの「アラビアの真珠」を飲んだことがない人や、浅煎りのコーヒーになれている人はもしかしたら苦みが強めと感じるかもしれません。
というのも「アラビアの真珠」は砂糖とミルクを入れて飲むのがイノダスタイル。
そのため、砂糖やミルクに負けないコーヒーの味に調整されているんです。
ということで、僕も砂糖とミルクを入れて飲むことにします。
砂糖とミルクを入れたことで、かなりマイルドな味わいに、しかし苦味とコクは後からしっかり主張してくるので、大人のコーヒー牛乳と言ったところでしょうか。
この砂糖とミルク入りの「アラビアの真珠」もやっぱり美味しいです!
このように、味変して二度楽しめるのが「アラビアの真珠」です。
イノダコーヒはギフトに使われることが多いです。
イノダコーヒをもらってブラックで飲んんだものの「苦かった」と言った感想をたまに聞きます。
京都の人ならまだしも、イノダコーヒに詳しくない人は砂糖とミルクを入れて飲むのがありきのコーヒーなんて知らないですよね。
「アラビアの真珠」をギフトでもらったって人は是非、砂糖とミルクを入れて飲んでみてください。
きっと満足できる味になるはずです。
「イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由」を読んだよ
さて、時を同じくして「イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由」という本を読みました。
「イノダコーヒ」創業者の甥で創業当初から働いていた猪田彰郎(いのだあきお)さん。
途中、「イノダコーヒ三条店」の初代店長を任され、27年間務められました。
そんな、イノダアキオさんがコーヒーから学んだこと、お客さんとの向き合い方、仕事の心構えなど京都弁の優しい語り口で話されています。
道具は何がええやろとか、お湯の温度はどれほどやろとか、いらんこと考えんで、ええんです。
思いやりをもって、
ちょっと手をかけてやる。
そしたらぐっとおいしくなります。
引用: 「イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由」
この一文に本書の全てが集約されている気がしました。
「コーヒー」、「お客さん」、「仕事」、思いやりをもって丁寧に向き合えば必ず答えてくれる。
コーヒーを通してイノダアキオさんの生き様そのものを垣間見ることのできる内容で、非常に勉強になりました。
他にも自宅でできるイノダ流のコーヒーの淹れ方や「イノダコーヒ」創業当時の話、「イノダコーヒ三条店」店長時代の話などイノダコーヒファンには必読の内容となっています。
もちろんイノダコーヒを知らなかった人でも楽しめる内容で、この本を読めばイノダコーヒにきっと行きたくなるはずです。
おわりに
以上、イノダコーヒの赤缶「アラビアの真珠」と「イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由」のレビューでした。
砂糖とミルクの入った「アラビアの真珠」を飲みながら「イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由」を読んでいると「イノダコーヒ」が何十年もみんなから愛されている理由がなんとなくわかった気がしました。
「アラビアの真珠」もイノダアキオさんの語り口調も優しくて温もりがあるんですよね。
またイノダコーヒのお店にも足を運びたくなりました。
おしまい