100年以上も昔、ゴールドラッシュのアメリカ西部で、鉱夫の作業着として誕生したLevi's(リーバイス)のデニムジャケット。
当時は作業着だったデニムジャケットも、今では男女問わずファッションアイテムに欠かせないアイテムとなりました。
出典: Levi's
リーバイスのデニムジャケットは、歴史が長い分、「1st(506)」、「2nd(507 )」、「3rd(557)」......「現行品(72334)」などなど時代によって区分けされているのも特徴です。
他にも復刻が販売されていたりと、種類が多い分、
「リーバイスのデニムジャケットは、どれを買えば良いかわからない!」
って人もいるのではないでしょうか。
もちろん「1st」や「2nd」のようにプレ値がついて何十万円もするようなものは、そう簡単に買えるものでもありませんし、ヴィンテージの世界は奥が深い分、知識がなければなかなか手が出せません。
そのような理由から店舗やオンラインで「現行品」を買われている人が多いかと思います。
でもちょっと待ってください!!
ヴィンテージのリーバイス デニムジャケットの中でも、比較的敷居が低くお求めやすいモデルがあるんです!
それが、「4th(70505)」です!
[Levi's 4th 70505]
「4th(70505)」は、リーバイスで1960〜70年代に製造されていた約50年前のモデルです。
この「4th(70505)」ですが、ヴィンテージリーバイスならではの、綺麗な色落ちをしてくれます!
また、約50年前のモデルにも関わらず、「現行品」とあまり変わらない価格で購入することができます!(2022年2月現在)
これらの理由から僕は、リーバイス デニムジャケットの中で、「4th(70505)」を強くおすすめします!
ということで、リーバイス「4th(70505)」の特徴や、「現行品(72334)」よりおすすめする理由について詳しく解説していきます。
目次
Levi's(リーバイス) 4th(70505)の特徴
年代
リーバイスのデニムジャケットは「1st(506)」から始まり、年代によってデザインが変わります。
そして、4代目として1966年〜1970年代まで製造されていたモデルが「70505」です。
リーバイスのデニムジャケットとして4代目であることから、通称4th(フォース)と呼ばれています。
4th(70505)の中でも、製造年によって、細かなディティール変更があり、5つのタイプに区分けされますが、今回は割愛します。
ちなみに、僕が所持しているのは、「70505 スモールe」といわれる後期型のタイプです。
デザイン
デニムジャケットの完成形
4th(70505)のデザインは、デニムジャケットの完成形と言われています。
実際、現在販売されている「現行品(72334)」は、「4th(70505)」がベースとなっており、細かな仕様は違えど、デザインは、ほとんど同じです。
左がフォース!右が現行品!
かなり似ていますよね?
それだけ「4th(70505)」が現代にも通じる普遍的なデザインということでしょう。
ちなみに、このデザインは「3rd(557)」の時点ですでに出来上がっていました。
しかし、デザインは同じでも「3rd(557)」は、「4th(70505)」よりも着丈が短くなっています。
[Levi's 3rd 557]
出典: ヤフオク!
そのため、「4th(70505)」の方が、より今風な着こなしができるんですよね。
現在、販売されているリーバイスのデニムジャケットのデザインは、「3rd(557)」で原型をつくり、「4th(70505)」で完成されたと言えます。
V字切り替
「4th(70505)」の一番の特徴は、やはりフロントのステッチがV字切り替になっているところではないでしょうか。
パッチ
パッチは、「4th(70505)」でも年代によって「大パッチ」や「小パッチ」、「小パッチ ケアタグ付き」など微妙に仕様が異なります。
僕の所持している「4th(70505)」は、「小パッチ ケアタグ付き」です。
パッチの下に取り扱い説明のケアタグが付いています。
ケアタグには、「HOT WASH NORMAL CYCLE. COLOR WILL BLEED. WASH AND TUMBLE ALONE. SHRINKS APPROX.3%」と記載されています。
意味は、「高温で洗ってね!色移りするから洗濯・脱水共に分けてね!洗濯すると3%縮むよ!」的なことが書かれています。
タブ
タブは「Levi's」の"e"が小文字であることから、俗に言うsmall “e”になっています。
僕の「4th(70505)」は、後期なのでsmall “e”ですが、初期〜中期まではBIG “E”の仕様になっています。
同じ「4th(70505)」でもBIG “E”の方が人気で価格も少々高くなります。
サイドポケットはなし
「4th(70505)」にサイドポケットはありません。
一方、「現行品(72334)」には、サイドポケットが付いています。
機能的なことを考えると、サイドポケットのある現行品の方が使い勝手は良いです。
しかし、4th(70505)の機能性に完全に振り切っていない、この無骨な感じがまた良いんです!
着用してみた!
4th(70505)を着用してみました!
現行品にも受け継がれているデザインなので、今の時代に着用しても全く違和感がなくカッコ良いですよね。
また、サイドポケットがないので、デニムシャツのような感覚で扱うことができます。
このように、上にアウターを羽織ってレイヤーとしても使えたりと、春秋冬の3シーズン活躍してくれます。
「4th(70505)」をおすすめする理由
ここからは、「4th(70505)」をおすすめする理由について解説していきます。
理由は2つです。
[4th(70505)」をおすすめする理由]
・ヴィンテージならではの色落ちをしている。
・ヴィンテージの中でも、まだまだ買いやすい価格。
詳しく解説します!
ヴィンテージならではの色落ちをしている
4th(70505)は、この年代特有の「縦落ち」という綺麗な色落ちをしてくれます。
当時の織り機は均一にデニムを織ることができず、その織りムラやが原因で色が縦落ちしたと言われているんだ
70年代までのリーバイスのデニムは、この「縦落ち」という色落ちをしていました。
[4th(70505)]
しかし、80年代に入ると織り機の性能も上がって、均一にデニムが織れるようになりました。
その結果、均一に色落ちしていく、のっぺりとした色落ちをするようになります。
[現行品(72334)]
一概にどちらの色落ちが良いとも言えませんが、「4th(70505)」のヴィンテージならではの、この時代にしか出せない色落ちというところに魅力を感じてしまいます。
ヴィンテージの中でも、まだまだ買いやすい価格
4th(70505)は、ヴィンテージリーバイスの中でも、まだまだ買いやすい価格です。
ヤフオクなどで探せば約10,000円〜購入することができます。(2022年2月現在)
僕は2021年に約13,000円で購入しました。
新品の現行品(72334)が1万円ちょっとなので、価格があまり変わりませんね。
このように、50年前のリーバイス製品としてはあまりにも安すぎるんです!
4th(70505)は、ヴィンテージのリーバイス 501でいうところの「ビッグE〜66後期」の期間と同じ製造時期にあたります。
リーバイス501の「ビッグE〜66後期」といえば、約20,000円以上、状態によっては50,000円、100,000円以上で取引されています。
501「ビッグE〜66後期」と同じ年代のデニム製品にも関わらず、4th(70505)は、比較的安い価格帯になっていてお買い得な気がします。
ちなみに、タブがBIG “E”になっている4th(70505)の初期〜中期までのモデルでも約20,000円〜購入することができます。
[4th(70505)BIG “E”]
出典: ヤフオク!
4th(70505)のsmall “e”と比べると価格は少し上がってしまいますが、それでも約20,000円〜で購入できるのであれば、かなりお得だと思います。
これが、501のBIG “E”ともなると50,000円以上は余裕でしますもんね。
「4th(70505)」のデメリット
最後に、「4th(70505)」のデメリットについて紹介します。
それは、
あくまでも古着であるということ!
です。
詳しく解説します!
あくまでも古着であるということ
「4th(70505)」は、約50年も昔のデニムジャケットなので、当然購入するのは古着になります。
古着ということは、色落ちしていたり、やぶれ、ほつれ、汚れなどコンディションはどうしても新品に劣ってしまいます。
ある程度、古着に対する理解がなければ、中古のデニムジャケットに抵抗を持たれる人もいるのではないでしょうか。
また、「4th(70505)」の古着の多くが着込まれていて、それなりにデニムの色落ちをしています。
つまり、デニムの醍醐味ともいえる「一から着込んで経年変化で色落ちを楽しむ」というようなことはできません。
色落ちしていないデットストックも、たまに見かけますが、「4th(70505)」のグッドコンディションとなるとさすがに100,000円近くの価格はします。
「リジットから着込んで、洗濯を繰り返し、自分の体に馴染んだデニムジャケットに育てていく」といったところにデニムの魅力を感じられる人は、「現行品(72334)」の方が良いと思います。
サイドポケットも付いているので、機能性も優れています。
「現行品(72334)」は機能性重視・経年変化を楽しむもの。
「4th(70505)」は、経年変化を楽しむというよりは、その時代の空気感を楽しむものと考えた方が良いかもしれません。
おわりに
以上、リーバイス「4th(70505)」の特徴や、「現行品(72334)」よりおすすめする理由について詳しく解説してきました。
「4th(70505)」の魅力が伝わっていれば幸いです。
リーバイスから、「4th(70505)」の復刻も販売されていたりしますが、やはりオリジナルにしか出せないアジというものがあると思います。
それは、「当時使われていたインディゴ染料」であったり「生地の織り方」であったり「染料が酸化して独特の風合いに経年変化する長い年月」などなど、様々な要因が合わさってできた産物だと思います。
それは「復刻版」でも、完全に再現するのは難しいところではないかなと思います。
もちろん、色落ちを一から楽しめたりと「現行品」や「復刻版」にしかない魅力もあります。
しかし、50年も昔のオリジナル「4th(70505)」が、100,00円〜で手に入れることができるのは破格のプライスだと思えて仕方ありません。
リーバイスのヴィンテージ501は価格が高騰していく一方ですので、今後「4th(70505)」も値上がりしていくのではないでしょうか。
価格が高騰していく前に一着は持っておきたいところです。
おしまい
72334 現行品
70505 復刻版